コア機能 · B面トラックリスト
ルールベースの通信振り分けから TUN モードまで、Clash クライアントの主要機能を1枚のトラックリストにまとめました。各行をクリックすると、その機能が解決する課題、使い方、一般的なプロキシツールとの違いを展開表示します。
通信振り分けは Clash の核心機能です。設定ファイル内のルールリストは上から順に照合され、一致した時点でそのコネクションを直接接続にするか、プロキシ経由にするか、あるいは拒否するかが決まります。ルールの種類にはドメインサフィックス、キーワード、IP レンジ、GeoIP(地域判定)などがあり、コミュニティが管理するルールセットと組み合わせることで、日本国内のサイトは直接接続で高速に開き、海外サービスは自動的にノード経由になります。両者は互いに干渉しません。全通信を一括でプロキシに通す方式に比べ、ルールベース振り分けはノードの帯域を節約しつつ国内アクセスの速度も落とさない点で、一般的な VPN クライアントとの決定的な違いになっています。ルールは一度書けば全プラットフォームのクライアントで共通利用できます。
ポリシーグループはノードの上位に位置するスケジューリング層です。select グループは手動でノードを指定し、url-test グループは遅延を基準に最速ノードを自動選択、fallback グループはメインノード障害時に自動切り替え、load-balance グループは複数ノードへリクエストを分散します。動画配信サービスの視聴には解除実績のあるノードを固定し、日常的な閲覧は自動測定グループに任せるなど、アプリごとに異なるポリシーを使い分けられます。ルールは個々のノードではなくポリシーグループを直接指定するため、後からノードを追加・削除したり回線を変更したりしても、ルールを一切書き換える必要がなく、設定のメンテナンスコストを最小限に抑えられます。
速度テストでは、クライアントが対象アドレスへリクエストを送信し、応答までの時間を計測することで各ノードの遅延を数値化し、それに基づいて並べ替え・絞り込みを行います。注意したいのは、遅延の低さは帯域の広さとは無関係だという点です。遅延はハンドシェイクの速さを反映するもので、ダウンロード性能を示すものではありません。ノードを選ぶ際は、まず遅延が安定しているかを確認し、そのうえで実際の使用感を加味して判断しましょう。ノードを url-test ポリシーグループに任せておけば、設定した間隔でクライアントが自動的に再測定し、常に最適なノードへ切り替えてくれるため、手動で一つずつ試す手間が省けます。速度測定の仕組みとよくある干渉要因の詳しい分析は、本サイトブログの速度測定解説記事をご覧ください。
プロキシサービスや自前ノードは通常サブスクリプションリンクの形式で配布されます。クライアントにリンクを貼り付けるだけで全ノードとグループを一度にインポートでき、以降は設定した間隔で自動更新されるため、ノードの増減を手動でメンテナンスする必要はありません。複数のサブスクリプションを同時に登録することもでき、ルールセットと組み合わせれば統一的な通信振り分けが実現できます。サブスクリプションリンクはアカウント認証情報に相当するため、他人に共有しないよう注意してください。リンクの失効やデータ容量の期限切れは、ノードが一斉に使えなくなる際の典型的な原因です。ノードが一括でタイムアウトする場合は、まずサブスクリプションを更新し、それから他の箇所を調べることで、無駄なデバッグ作業を大幅に減らせます。
システムプロキシは、その設定に従うアプリにのみ有効です。ゲームやコマンドラインツール、一部のデスクトップアプリはプロキシ設定を無視して直接接続してしまうことがよくあります。TUN モードはシステム内に仮想ネットワークアダプタを作成し、ネットワーク層で全通信を横取りしてカーネルに渡し、ルールに従って振り分けます。これにより、どのアプリも取り逃すことがありません。初回有効化時にはネットワークコンポーネントのインストール許可が必要で、Windows と macOS の主要クライアントにはこの機能が標準搭載されています。日常的な閲覧であれば TUN を有効にしなくても十分ですが、一部プロキシを経由しないアプリに遭遇したときに有効化すれば済み、常時オンにする必要はありません。
DNS はプロキシ経路の中で見落とされがちな要素です。解決結果が汚染されていれば、どれほど良いノードを使っても正しいサーバーに接続できません。Clash カーネルには DNS モジュールが内蔵されており、ドメインごとにクエリを異なる上流サーバーへ振り分けることができます。海外ドメインはプロキシ経由で解決し、日本国内のドメインはローカルの ISP で解決するといった運用が可能で、DoH や DoT による暗号化クエリにも対応しています。適切に設定すれば、アクセス履歴が漏洩する DNS リークも防げます。nameserver や fallback などの各フィールドの意味、そのまま使える設定例2種については、本サイトブログの DNS 詳解記事で解説しています。
上記6つの機能は、クライアントによって名称が多少異なる場合があります。各設定項目とパラメータの詳細は使用ガイドを、概念の定義は用語集をご覧ください。
プラットフォーム別クライアント選び
5つのプラットフォームにはそれぞれおすすめのクライアントがあり、ダウンロードページではプラットフォーム別に全候補クライアント、システム要件、インストーラーのサイズを一覧できます。下記のいずれかのプラットフォームをクリックすると、ダウンロードページの該当セクションへ直接移動します。
Windows
Windows 10/11 ではダブルクリックでそのまま使える Clash Plus が筆頭。Clash Verge Rev や FlClash も同様に選択可能です。
ダウンロードへmacOS
Intel 版と Apple Silicon 版のインストーラーを個別に提供。Clash Plus と Clash Verge Rev はいずれも活発に開発が続けられています。
ダウンロードへAndroid
Clash Plus と Clash Meta for Android はいずれもサブスクリプションの自動更新とアプリ別プロキシに対応。FlClash、Surfboard も候補です。
ダウンロードへオープンソースエコシステムと信頼性
Clash は一企業が開発する商用ソフトではなく、世界中の開発者が共同で維持するオープンソースエコシステムです。その歴史を知ることは、宣伝文句を見るより判断材料になります。
プロジェクトの歴史。Clash は2018年に誕生し、ルールベースの通信振り分けを中核とする設計は、その後のプロキシクライアント業界全体に影響を与えました。2023年に元のリポジトリがアーカイブされた後もコミュニティの開発は止まらず、mihomo(旧 Clash Meta)カーネルが開発を継承。Clash の設定文法との互換性を保ちながら、新しいプロトコルや機能を継続的に追加しています。現在のデスクトップ・モバイル向け主要 Clash クライアントは、ほぼすべてこのカーネルを基盤としています。
オープンソースエコシステム。カーネルから GUI クライアントまで、エコシステム全体のソースコードは GitHub の公開リポジトリで管理され、GPL-3.0 などのオープンソースライセンスで公開されています。中核リポジトリのスター数は数万に達し、世界中のコントリビューターが継続的にコードを提出し、問題を報告し、ドキュメントを充実させています。誰でもソースコードを検証し、すべてのコミット履歴を追跡できる。これがプロキシツールが信頼を得るための唯一確実な方法です。
カーネルとの関係。本サイトに掲載しているクライアントの多くは mihomo カーネルを採用しています。オリジナルの Clash 設定形式との互換性を保ちながら、VLESS、Hysteria2、TUIC といった次世代プロトコルへの対応を拡張し、DNS 振り分けや TUN の実装も改善されています。一度設定文法を覚えれば、Windows、macOS、Linux、Android で共通して使えるため、クライアントを変えても学び直す必要はありません。
設定形式。エコシステム全体で YAML 形式の設定ファイルが共通利用されています。サブスクリプションリンクから配信されるノード情報、ルールセット、ポリシーグループは、最終的に読み取り・バックアップ・移行が可能な1つのテキストファイルにまとめられます。このファイルを PC からスマートフォンにコピーし、サブスクリプションの自動更新と組み合わせれば、複数デバイス間での設定統一もそれほど難しくありません。具体的な方法は本サイトブログのマルチデバイス同期に関する記事をご覧ください。
更新体制。本サイトでは各クライアントの公式リリースページを毎日確認し、新バージョンが出た時点でダウンロードリンクとバージョン番号を更新しています。掲載しているインストーラーはすべて各プロジェクトの公式配布チャンネルから取得したものです。開発が終了したクライアントはアーカイブ状態であることを明記し、新規インストール時の推奨からは外しますが、既存ユーザーの移行を支援するためダウンロード窓口は残しています。
よくある質問セレクション
新しく訪れたユーザーからよく聞かれる4つの質問。回答はそれぞれ該当ページへのリンクになっているので、詳細はリンク先でご確認ください。
各プラットフォームで筆頭候補となるのは Clash Plus です。プラットフォームごとの候補一覧と比較はダウンロードページに掲載しています。
システムプロキシ、ルールモード、DNS、サブスクリプションの有効性という順番で1つずつ確認していきます。チェックリストはよくある質問ページに掲載しています。
用語集ではコアとなる概念を分かりやすい言葉で解説しています。設定を始める前に5分ほど目を通しておくのがおすすめです。
設定ガイドページではインストールからサブスクリプションのインポート、プロキシモードの選択までステップごとに解説しています。手順どおりに進めれば完了します。
最新記事
クライアントの使い方、設定の詳細、トラブルシューティングの考え方をまとめた長文記事を継続的に更新しています。
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