GLOSSARY · 用語25件を収録
Clash 用語集
Clash の設定・利用時に何度も出てくる用語を、用途別に5分類で解説:基本概念、プロキシプロトコル、ルーティング分岐、DNSとネットワーク基礎、クライアント機能。各項目には対応する英語表記や設定ファイル上のフィールド名も記載し、クライアントのUIや config.yaml の内容と照らし合わせやすくしています。
基本概念
6件まず用語の顔を覚えるところから。クライアントを導入する前に必ず出てくる言葉たちなので、ここを押さえておけば後の理解が一気に楽になります。
Clash
ルールベースのプロキシコアルールに基づいて通信を振り分けるプロキシコア。Clash というクライアント生態全体の名前の由来でもあります。コア自体にはGUIがなく、日常的にダウンロードする Clash Verge Rev や Clash Plus といったクライアントは、このコアにUIを被せたものです。ノード・サブスクリプション・ポリシーグループといった概念はすべてこのコアの設定体系で定義されています。
mihomo
旧 Clash MetaClash 本家の更新停止後、コミュニティが引き継いで開発しているコアのフォーク。旧名 Clash Meta で、2023年に mihomo へ改称されました。既存のルール体系に加えて Hysteria2、TUIC、VLESS など新しいプロトコルやルールセットに対応し、現在主流のGUIクライアントの多くに標準搭載されています。ダウンロードページのコア欄では、サーバーやルーター向けの単体実行ファイルも配布しています。
サブスクリプションリンク
Subscriptionプロバイダーが発行するURLで、クライアントがこれにアクセスすることでノード一覧とグループ情報をまとめて取得します。クライアントにリンクを入力して更新ボタンを押すと、ノード一覧が画面に表示され、定期的な更新で最新のノードに同期できます。アカウント認証情報に近いものなので、グループチャットへの共有やスクリーンショットへの写り込みは避けてください。
ノード
Proxy Node通信を中継するプロキシサーバー1台のこと。設定ファイル内の proxy 項目の1件に対応します。各ノードにはアドレス・ポート・プロトコル・認証情報が含まれ、クライアントのUI上では名称・プロトコル種別・レイテンシが表示されるのが一般的です。ノードを切り替えるということは、通信の出口とルートを切り替えることを意味します。
設定ファイル
config.yamlクライアントの動作全体を定義するテキストファイルで、デフォルトのファイル名は config.yaml です。ポート設定、DNS、ノード一覧、ポリシーグループ、ルーティング設定がすべて記述されており、サブスクリプションの更新は実質的にこの中のノードとグループ部分を書き換える処理です。手動編集後は再読み込み(リロード)またはクライアントの再起動が必要です。
YAML
YAML設定ファイルで使われるマークアップ言語で、波括弧を使わずインデントで階層を表現します。インデントとコロン後のスペースに非常に敏感で、スペース1つのズレでも解析エラーになることがあります。手動編集前には元ファイルをバックアップしておき、問題が起きたらすぐ復元できるようにしましょう。
プロキシプロトコル
6件ノード設定の ss、vmess、vless といった先頭表記が示すのは通信プロトコルです。ノード名より、まずプロトコルを把握するほうが実用的です。
Shadowsocks
SS以前から広く使われている暗号化プロキシプロトコルで、略称 SS。設定では ss: で始まります。実装が軽量で各プラットフォームのクライアント対応も広く、暗号方式は chacha20-ietf-poly1305 や aes-128-gcm などのAEAD系アルゴリズムが推奨されます。
VMess
VMessV2Ray プロジェクトが定義した通信プロトコルで、設定では vmess: で始まります。UUID によるユーザー認証を行い、WebSocket や TLS など複数のトランスポート方式に対応し、一般的なウェブサイト通信に偽装することも可能です。サブスクリプション内のノードにも多く採用されています。
VLESS
VLESSV2Ray から生まれた軽量プロトコルで、設定では vless: で始まります。VMess が内蔵していた暗号機能を省き、セキュリティは外側の TLS に委ねる設計で、XTLS や Reality と組み合わせて使われることが多く、mihomo など新しいコアでの対応が必要です。
Trojan
Trojanプロキシ通信を通常の HTTPS アクセスに偽装するプロトコルで、設定では trojan: で始まります。サイトの証明書をそのまま利用するため、通信特性が一般的なウェブ閲覧に近く、導入にはドメインと証明書が必要です。
Hysteria2
HY2QUIC(UDP)をベースとした高速プロトコルで、設定では hysteria2: で始まり、新しい mihomo コアが必要です。パケットロスが多い不安定な環境(モバイル通信、大陸間の長距離回線など)でTCP系プロトコルより安定する傾向があります。一部のネットワークではUDPが制限されており、その場合は利用できません。
TUIC
TUIC同じく QUIC をベースとしたプロキシプロトコルで、設定では tuic: で始まります。低遅延・高並列処理を目標に設計され、輻輳制御も調整可能です。Hysteria2 と同様にUDP通信の安定性が前提で、UDPが遮断されている環境では接続できません。
ルーティング分岐
4件どの通信をプロキシ経由にし、どれを直接接続にし、どれをブロックするか。すべてこの仕組み群で決まります。
ルーティング分岐
RulesClash の核心となる動作方式です。各通信はルールリストに従って順に照合され、プロキシ経由・直接接続・ブロックのいずれかが決定されます。ルールは上から順に評価され、最初に一致した時点で処理が確定するため、順序が結果に直結します。リストの最後には通常 MATCH という兜底ルールがあり、それまでに一致しなかった通信を受け止めます。
ポリシーグループ
proxy-groups複数のノードをまとめて1つの出口として扱う設定で、設定ファイルでは proxy-groups セクションに記述します。よく使われるタイプには手動選択の select、自動速度測定の url-test、フェイルオーバーの fallback、負荷分散の load-balance があります。ルールが参照するのはポリシーグループ名であり個々のノードではないため、ノードを切り替えてもルールを変更する必要はありません。
GeoIP
GEOIP / GEOSITEIPアドレスの国・地域を判定するデータベースで、ルール上では GEOIP,CN のような形式で記述します。ドメイン名で分類する GEOSITE と組み合わせることで、中国本土は直接接続・海外はプロキシ経由といった振り分けの多くをカバーできます。データベースは定期的な更新が必要ですが、主流のクライアントは自動で処理してくれます。
ルールセット
rule-providers特定のルール群(たとえば1つのサービスの全ドメイン)をファイルや外部URLとして分離し、設定内で rule-providers から参照する仕組みです。数千行のルールをメイン設定に直接書き込むより見通しがよく、自動更新にも対応します。この機能は mihomo コアのみサポートされ、旧来の Clash コアではこのフィールドは認識されません。
DNSとネットワーク基礎
4件ドメイン名解決に関わる用語群です。「接続済みと表示されるのにページが開かない」という不具合の多くは、実はこの層が原因です。
DNS リーク
DNS LeakOSやブラウザがプロキシを経由せず、直接プロバイダーのDNSに問い合わせを送ってしまう状態です。結果としてローカルネットワーク上に閲覧履歴が露出し、振り分け判定にも誤りが生じる可能性があります。クライアント側のDNS設定(nameserver、リダイレクトのリスニング)を整えることで全ての問い合わせを制御下に置けます。検出方法と対処手順はDNS リーク特集で解説しています。
Fake-IP
fake-ipクライアントのDNS動作モードの一つで、ドメイン名にまず 198.18 系の仮想アドレスを返し、実際の接続が確立する段階でドメイン名によるルール照合を行います。実際のDNS問い合わせの待ち時間が省かれるため、ページの表示が速くなります。一部の非対応アプリ(一部のLANサービス、NTPなど)は fake-ip-filter に追加して除外する必要があります。
nameserver
nameserver / fallbackDNS 設定内で上流の解析サーバーを指定する項目群で、クライアントはこれを使ってノードのドメインや直接接続用ドメインを解決します。fallback はプロキシ経由での解決が必要なドメインに使われ、default-nameserver は nameserver 自体のアドレス解決のみを担います。通常はパブリックDNSを設定すれば十分ですが、各項目の詳細な書き方はDNS 詳解を参照してください。
レイテンシ(遅延)
Latencyノード一覧に表示されるミリ秒単位の数値で、そのノードへHTTPSハンドシェイクを1回送るのにかかった時間を意味します。接続性を反映する指標であり、ダウンロード速度と直結するものではありません(レイテンシが低くても帯域が広いとは限りません)。レイテンシは初期の絞り込みには有効ですが、実際の体感速度はパケットロスや帯域にも左右されます。詳しい原理はノード速度測定の詳解を参照してください。
クライアント機能
5件設定画面に並ぶスイッチの数々。それぞれがコアの具体的な機能に対応しています。
TUN モード
tunクライアントがOS上に仮想ネットワークアダプタを作成し、システムプロキシを認識しないアプリ(ゲーム、コマンドラインツールなど)も含めて、ほぼすべての通信を制御下に置く動作モードです。ネットワークアダプタのドライバインストールに管理者権限が必要で、初回有効化時にOSから許可のダイアログが表示されます。ウェブ閲覧が目的であればシステムプロキシで十分です。原理と適用場面については使用ガイドを参照してください。
システムプロキシ
System Proxyクライアントのローカルポート(デフォルト 7890)をOSのプロキシ設定に書き込み、システムプロキシに対応したアプリを自動的に Clash 経由にする機能です。切り替えスイッチは通常クライアントのメイン画面にあります。クライアントを終了する前にこのスイッチを切っておかないと、一部のアプリが通信できなくなる場合があります。
LAN 共有
allow-lan同一ネットワーク内の他デバイス(スマートフォン、タブレット、テレビなど)が本機をプロキシサーバーとして利用できるようにする機能で、設定項目は allow-lan です。有効化すると、他デバイスから本機のLAN内IPアドレスとポートを指定するだけでプロキシを共有できます。公共のネットワーク環境では有効化しないことをおすすめします。
自動起動
Launch at LoginOSにログインした際にクライアントを自動的に起動する機能で、毎回手動で開く手間を省けます。切り替えスイッチは通常設定画面にあり、Windows はスタートアップ、macOS はログイン項目の仕組みを利用します。トレイへの最小化と併用すれば、起動後は自動でバックグラウンド動作させられます。
外部コントローラー
external-controllerクライアントが公開しているローカル管理APIで、デフォルトポートは 9090、設定項目は external-controller です。Yacd や metacubexd といったWebパネルはこれを利用してノード切り替えや接続状況の確認を行います。パネルを使わない場合はデフォルトのローカルアクセス限定のままにし、ポートをLANに公開しないようにしましょう。
プロキシに接続できるのにネットが使えない、レイテンシが高い、サブスクリプションが更新されないといった不具合はよくある質問のカテゴリから探してください。設定ファイルの各フィールドの書き方は使用ガイドで確認できます。初めて導入する場合はインストール・設定ガイドの手順に沿って進めてみてください。